デスモアプロを犬が食べた!強力デスモアの300倍の強い成分だから怖んだよ

ポメラニアン
僕、それ食べちゃいました

 

アース製薬のデスモアはネズミの駆除のために使用される殺鼠剤としてよく知られていますが、デスモアプロには強力デスモアの300倍の効力を持つジフェチアロールという成分が使われています。

本記事ではデスモアプロと強力デスモアの違いと、万が一犬が食べてしまった時の対処法についてまとめています。

 

犬が食べたのはデスモアプロですか?強力デスモアですか?

強力デスモアは第1世代の殺鼠剤

強力デスモアの有効成分はワルファリンといいます。

ワルファリンはネズミに中毒症状を引き起こすためには3~5日が必要で、この間1日でも摂取しない日があるとその効果は半減してしまうというものです。

従来の殺鼠剤(第1世代)にはこのワルファリンが使われていたのですが、次第にこのワルファリンに対する耐性を持つスーパーラットが出てくるようになりました。

このスーパーラットに対応できる殺鼠剤として生まれたのが第2世代の殺鼠剤です。

デスモアプロは第2世代の殺鼠剤

デスモアプロにはスーパーラットを駆除するためにジフェチアロールが配合されています。

ジフェチアロールはワルファリンの約300倍の効力を持ち、連続して食べさせなくてもネズミが食べさえすれば効果を発揮します。

強い薬剤なのですが食べてすぐに死ぬというものではなく、効果が現れるまで3日~1週間程度かかります。

 

殺鼠剤にはネズミが好んで食べるように糖類や小麦などが含まれているため、犬猫も誘引され食べてしまいます。

家庭で飼っているペットはもちろんですが、敷地内に入ってくる外部の猫に対しても十分に配慮してあげたいものですね。

 

 

抗凝固剤なので血が止まらなくなる

ワルファリンもジフェチアロールも吸収力が高くタンパク質と強力に結合するため、一度体に入ると長時間体内に残留します。

体内に残留した成分はビタミンK還元酵素の阻害を引き起こすため血液の凝固因子を奪いその結果、凝固障害を引き起こすのです。
凝固障害により引き起こされる症状は次のとおりです。
  • 鼻血
  • 吐血
  • 下血
  • 皮下出血
  • 口腔内出血
  • 眼底出血

犬の様々な部位から出血が起こり、体内でも脳や消化器系から出血し最悪の場合は失血死に至ることもあります。

 

中毒症状を起こす摂取量

■ワルファリン
体重1kgあたり約5~50mg以上とされます。強力デスモアには0.05%配合されています。

■ジフェチアロール
体重1kgあたり約4~11.8mgとされます。デスモアプロには0.0025%配合されています。

 

どちらも成分濃度に極めて低く、体重10kgの犬が1.6~4.7kgのデスモアを食べない限り中毒を起こす量にはなりません。

ですので強力デスモアにしろデスモアプロにしろ、多少食べたところで中毒になる可能性は低く安全性が高い製品であるといえます。

 

ペットや乳幼児がデスモアプロや強力デスモアを誤って食べた場合についてアース製薬ではQ&Aでこのように回答しています。

数粒程度を食べたとしても、まず問題はありませんが、水か牛乳を飲ませて様子をみてください。もし、大量に食べたり、異常が現れた場合は、医師または獣医師の診療を受けてください。
                    引用:ペット・乳幼児が誤って薬剤を食べてしまったのですが、大丈夫? 

 

しかし、少量でも度々食べて体内に蓄積されていたり、犬の体質によっては少量でも中毒を起こす可能性があるので使用の際は十分に注意してくださいね。

 

犬がデスモアを食べた時の対処法は3つ

  • 対処法1 そのまま様子を見る
    食べた量がわかっていれば様子を見る。自分で吐き出したりもします。
  • 対処法2 食べてから1時間以内
    病院では催吐薬を投与し、洗浄を行います。
  • 対処法3 食べてから2~4時間経過
    吐かせることは難しいので中毒症状に気をつけて見守るしかありません。

 

中毒症状が出た時の治療法

止血・出血抑制の効果を与えるビタミンK1の投与が行われます。

また、出血が止まらなくなっているため皮膚に針をさう血液検査などはせず、時間をかけてビタミンK1の摂取を行っていきます。

 

まとめ

デスモアプロや強力デスモアは比較的安全性の高い製品であるとはいえ、犬の命を危険にさらす成分が入っているものであることは間違いありません。
そのような製品であることをしっかりと認識した上で、犬が食べられない場所に設置したり保存したりしてくださいね。