地震が原因で外壁にひび割れができたり破損したりした場合は、地震保険の対象となります。
地震保険の補償金がおりれば修繕の費用負担を抑えることができるので、もらい損ねないように適用基準は把握しておいてください。
この記事では、地震保険の適用条件と申請の流れについて解説していきます。
外壁のひび割れに地震保険が適用される基準
地震保険で外壁のひび割れが適用となる条件は以下の通りです。
■ 地震保険に入っている
一般的に「地震保険」は火災保険にセットとなっていて、火災保険金額の50%を限度として加入する形式を取っています。そのため、地震保険だけの加入はほぼありません。
■ 被害に遭った場所が外壁部分
損害が起きた場所は、主要構造部(構造耐力上主要な部分)に限ります。構造耐力上主要な部分とは、壁、柱、梁、床、屋根、階段をいいます。
建物の作りによって対象にならない場合もあります。
木造建築の場合は基礎のコンクリート部分ひび割れは地震による損害として認定されます。住宅が鉄筋コンクリート構造であれば基礎を除く主要構造部の損傷が査定されます。
■ 地震が発生してから10日以内の損害
地震保険は前提として地震が原因の損害でなければならないので、それを判断できる基準として10日間の期限を設けています。
ただし、地震の被害に家主がすぐに気づかない場合があるので、10日を過ぎても保険金をもらえる可能性はあります。
地震から年月が過ぎていても鑑定士の判断で地震による損害と診断される場合もあるので、諦めずに申請してみてください。
■ 一部損以上の被害
一部損とは、主要構造部分の損害額が建物の時価3%以上20%未満。もしくは、床上浸水・地盤よりも45cm以上の浸水が起きた場合をいいます。
⇒ヘアークラック(※髪の毛サイズの線のような小さなひび割れ)も対象
地震で大きなひび割れが生じた場合保険金がおりるだろうと考えがちですが、地震保険の損害割合は被害の大きさではなく「何カ所被害が生じているか」と数によって算定されます。
そのため、大きいひび割れが一カ所に生じているよりも、小さいひび割れが数多くある方が保険金がおりる可能性が高くなります。
これは、損害算定がひび割れ1か所の損傷で1mとカウントされるためです。そのため、10本ほどのヘアクラックで5%の一部損壊が認められて保険が降りるケースもあるのです。
大規模な地震の後は多くの家で調査が行われるので、被害状況が見落とされることもあります、査定内容に満足できない場合は再調査も可能です。
ヘアクラックの場合、早急な対処が必要というものはあまりありませんが、多くの場所にひび割れがある場合は雨漏りにつながる恐れがありますので早めに専門業者に調査してもらってください。
外壁が壊れても地震保険で補償されないケース
■ 被害の程度が小さい
被害の区分は次のとおりです
全損…地震保険の契約金額の100%の保険金がもらえる。
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の50%以上
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の70%以上
大半損…地震保険の契約金額の60%の保険金がもらえる。
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の40%以上50%未満
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
小半損…地震保険の契約金額の30%の保険金がもらえる。
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の20%以上40%未満
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
一部損…地震保険の契約金額の5%の保険金がもらえる。
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の3%以上20%未満
・全損、大半損、小半損に至らない建物が床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水
一部損は、4つの区分の中で最も軽い損害ということになりますが、鑑定人の調査で一部損に満たないと判断されると保険金はおりません。
■ 地震以外が原因である
経年劣化などの老朽化によって生じたひびは保険の適用外です。
地震保険を含め損害保険保険が適用されるためには、不測的かつ突発的な事故という条件が基本となります。
地震は正確な予測がつかないた突発的な災害となりますが、経年劣化は容易に予想がつく被害であるため不測的な事故とみなされないのです。
■ 門塀・ブロック塀等、付属物のみの被害
地震保険は住居本体のみに適用されるため、それ以外の損害は除去されます。塀や門だけが損害を受けた場合は地震保険が使えません。
地震保険に申請して入金されるまでの流れ
地震発生後は保険会社もてんやわんやとなりますので、家の被害が確認できたら10日以内に申請できるように申請方法は把握しておいたほうが良いでしょう。
※申請方法は保険会社によって多少異なりますので、加入している地震保険でも流れを確認してください。
①加入している保険会社に損害状況を報告
※外壁修繕を依頼するのであれば点検して見積もりを出してもらう。
②保険の鑑定人が現地調査に来る
③保険が降りるかどうかの連絡を待つ
④指定の口座に保険金が入金される
まとめ|保険を使って無料で直せるという業者には注意
大きな地震の後は、外壁にヒビが入っていると指摘しながら、「保険で無料で直せますよ」と営業に来る訪問業者が増えます。
しかし、保険が降りるかどうかは保険会社の鑑定人に調査してもらうまではわかりません。
無料でできるという言葉を信じて、外壁工事の契約をしてしまうと保険が降りなかったときは全額自己負担になります。
修繕工事をするにしても契約は必ず保険会社の調査が終わってからにしてください。
訪問業者のこういった被害にあわないように、無料で修繕できるという言葉にはくれぐれも注意してください。
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地震保険の申請のために必要な外壁工事の見積もりも無料で出してもらえますので、アドバイザーに相談してみてください。