切り花を長持ちさせる方法
花の命は儚いけれどだからこそ手入れをしながらできるだけ長く楽しみたいですよね。
切り花を長持ちさせるには砂糖やハイターを花瓶に入れる方法をはじめ、様々な取り組みがあります。
本記事では切り花を長持ちさせる各種方法や長持ちさせるための環境の作り方について紹介しています。
目次
切り花が砂糖やハイターで長持ちするのはなぜ?
砂糖は花の栄養素として、ハイターは雑菌の繁殖を防ぎ水を腐らせない防腐剤としての役割を担います。
■ 砂糖が切り花を長持ちさせる理由
植物は糖分をエネルギーとして成長し花を咲かせます。砂糖を溶かすと糖分が花の栄養となるので葉や花が鮮やかになり、切り花であっても最後の蕾まで花を咲かせられます。
■ ハイターが花を長持ちさせる理由
切り花を長持ちさせるためには新鮮な水を花の細胞のすみずみまで行き渡らせなければいけません。ハイターを花瓶に入れることで雑菌の繁殖を防ぎ新鮮な状態を保つことができるのです。
砂糖もハイターもそれぞれ切り花に効果的であることがわかります。
ただし、砂糖は花の栄養分になると同時に細菌やウィルスのエサにもなり水を腐らせる要素を含んでいるので単体で使うことは望ましくありません。
一方、毎日忙しくて花瓶の水を換えることができないときはハイターをいれておけば水が腐るのを防ぐことができます。花の種類にもよりますが、花瓶にほんの少しハイターを垂らすだけで1週間位は水換えしなくてもきれいに咲いています。
ですので、砂糖かハイターのどちらかという場合はハイターのみにしてください。
なお、ハイターは花王の商品名です。漂白剤は塩素系であれば他のメーカーのものでも構いません。
切り花にハイターを使うときの注意点
「ハイターを花瓶に入れたら長持ちすると聞いて早速入れたら花が枯れてしまった。?!」
これは明らかに入れ過ぎです。
ハイターは強力な漂白剤なので切り花に使用するのはごく少量です。水200~300mlで1滴、1リットルのペットボトルで4~5滴を目安に使用してください。
ハイターからそのまま1滴を垂らすのは難しいのでスポイトは用意したほうが安心です。
花を傷めないためにもここはとても大切なところですからしっかりと守ってくださいね。
なお、ハイターは金属の花瓶だと反応しますので、ガラスや陶磁器のものにしてください。
花瓶の水を清潔に保つ準備ができたら砂糖をプラス
ハイターを入れて清潔な水が維持できる環境か整ったら砂糖を入れて花に栄養補充をしてあげましょう。
砂糖はハイターのように入れ過ぎたから枯れるということはありませんが、200mlの水に対して小さじ1杯分を目安に使用してください。
夏は特に雑菌が繁殖しやすくなるので砂糖単体だけの使用は禁物。必ずハイターと一緒に使用しましょう。
ハイターと砂糖が延命剤の代わりになるので花が長持ちする
花を長持ちさせるためには切り花専用の延命剤があります。
延命剤の4つの効能
- 花瓶の水をきれいに保つ
- 花に栄養を与える
- 花の色と水のpHを保つ(酸性成分)
- 花の水揚げを良くする
水にハイターと砂糖を加えると市販の延命剤の効能に近づくので花が長持ちするというわけですね。
自家製の延命剤の作り方は他にもある
■水に炭酸飲料と漂白剤をいれる
スプライトやキリンレモンなど無色の炭酸飲料には糖分と酸性成分が含まれています。これに漂白剤を加えます。ふたを開けてすぐの炭酸飲料はガスが強すぎるので少し気が抜けてから使ってください。
分量の割合 水1L:炭酸飲料200~300ml:漂白剤2~3滴
■水に砂糖・レモン果汁・漂白剤をいれる
分量の割合 水1L:レモン果汁大さじ2:砂糖大さじ1:漂白剤2~3滴
切り花を長持ちさせるために大事なこと
茎を切る
切り花は茎の切り口から水を吸い上げるので切り口を最適な状態にしてあげると水をぐんぐん吸い上げ花が長持ちします。
・水切りをする
水切りとは切り花を水中で切ることをいいます。水切りすることで導管に空気が入り込むことを防ぎます。導管に空気が入ると気泡ができて水の吸い上げが悪くなります。
・斜めに切る
切り口を斜めにすることで断面が広くなりその分水を吸い上げやすくなります。
・切れ味のよいハサミを使う
切れ味の悪いハサミを使うと導管がつぶれて水の吸収がうまくできなくなります。
・消毒をしておく
茎から雑菌が入らないようにハサミは消毒しておいたほうがよいでしょう。
・水切りは1度だけでない
水中に浸かっている茎は時間とともに傷んできます。傷んだ切り口をさらに水切りしてあげることで花は水を吸収しやすくなります。
余分なつぼみや葉は取り除く
余分な葉やつぼみ、枯れた花は適度に取り除いてあげましょう。切り花につぼみや葉が多いと栄養分がとられて花に十分な栄養が届かなくなります。
茎の半分から下、特に花瓶の中に入ってしまうつぼみや葉は傷みやすいので取り除きましょう。
花瓶の水は入れすぎない
水はたっぷり入れすぎると茎の部分が多く水に浸かることになるので傷みやすくなります。水の量は花瓶の高さの3分の1くらいが目安です。
夏場、特に注意したいこと
飾る量を減らす
一つの花瓶にたくさんの花をいれると茎が密集するので蒸れやすくなります。夏の間は一度に飾る量を減らしてお花を楽しんでください。
大きい花瓶や口の広い花瓶に飾る
夏場は茎が蒸れやすいので口の広い大きめの花瓶に少しだけ飾ります。大きめの花瓶を使うのは小さい花瓶だと水の量も少なく水温も上がりやすくなるからです。
置き場所に注意
直射日光の当たらない涼しいところにおくというのが理想的。クーラーが効いている部屋でも風が当たると乾燥するので気をつけましょう。
クーラーを切って部屋をあけるときの裏技
・冷蔵庫に入れる
昼間蒸し風呂状態の部屋に花を放置するのは忍びないと言うならば冷蔵庫に入れてでかけましょう。野菜室が空いていれば花瓶ごと入れておけば花にとっても過ごしやすい環境です。
・花瓶からバケツに移しておく
小さな花瓶や細い花瓶に生けてある花はクーラーを切っている時間だけでも大きなバケツに移してからで出かけてください。
切り花を長持ちさせるためにできることから始めましょう
砂糖やハイターは家にあって気軽に使えるもの、その他の方法もすぐにできるお手入れ方法です。お部屋を明るく華やかにしてくれる切り花を少しでも長く楽しむためにもぜひ取り入れてみてくださいね。