大手ハウスメーカーに外壁塗装を依頼すると、まったく同じ材料、同じ工法で施工したとしても、塗装専門業者に依頼するより工事価格が割高になる可能性があります。
本記事はハウスメーカーの外壁塗装が割高になる理由、併せてその他のデメリット。またメリットについても説明しています。
目次
ハウスメーカーの外壁塗装は下請けに依頼するため割高
ハウスメーカーの外壁工事では中間マージンという消費者にとって不必要な出費が発生します。
ハウスメーカーの社内には塗装を専門に手掛けるチームはなくハウスメーカーと契約した塗装業者が施工を請け負います。
ハウスメーカーに外壁工事を依頼すると、高い確率で下請け・孫請け業者に塗装の依頼をすることになり、実際の塗装はこの業者が行うのです。
そうなると、ひとつの外壁工事にハウスメーカー以外の業者もが関わることとなるため、そこで中間マージンが発生することになるのです。
その流れを段階別に見ていくと次のとおりです。
第一段階 ハウスメーカーが受注する
ハウスメーカーが施主と工事契約を結びます。工事の主体はハウスメーカーであるため工事代金の決済など、お金に関する権限も全てハウスメーカーにあります。
ハウスメーカーでは工事代金から自社の経営維持費、人件費、広告料などを捻出し、残りを下請けの外注費に回します。
第二段階 下請け(子会社):地域の中規模の塗装業者
ハウスメーカーは会社組織に組み込まれている下請けの業者に外壁工事を発注します。
第三段階 孫請け:個人事業主などの小規模な塗装業者
下請け業者が職人を割けない場合は、従業員数が少ない小規模な塗装業者に工事を発注します。すでに第一第二段階で多額の中間マージンを差し引かれているため、自社で直接受注する工事よりも収入はグッと減ります。
第四段階 応援:一人親方など
孫請けの塗装業者がさらに人員不足などになると、付き合いがある一人親方などの個人の塗装業者に工事を委託します。
この段階になると経費がほとんど残っていないので、孫請け業者が材料費を負担して、個人の塗装業者は作業費のみの日当で仕事をする形になります。
一つの外壁工事にこれだけたくさんの業者が関わっていると、その都度、中間マージンが発生するため、その分施主への負担が大きくなる(割高)になるというわけですね。
下請けを使うことは違法ではありませんが(中間マージンだけを取って作業を全て下請けに任せることは違法)、「ハウスメーカー(元請け)」「下請け」の双方の利益は全て施主の支払う工事費用に上乗せされているのです。
ハウスメーカーの外壁塗装|その他のデメリット
広告宣伝費が上乗せされる
料金が割高になる理由は、中間マージン以外にも広告宣伝費の関係しています。有名なハウスメーカーは、一般的な建設業者に比べて広告宣伝費に多額の費用をつぎ込んでいます。
例)
有名人を起用したテレビCM
インターネットや新聞・雑誌の広告
自社ショールームやモデルハウスで行うイベント
チラシのポスティング など
これらの宣伝費や人件費も施主の支払う工事費用に上乗せになります。
使用する塗料を自由にセレクトできない
ハウスメーカーの外壁塗装では、使用する塗料や施工方法がマニュアル化されているため、施主が好みの塗料を選ぶことができません。
また、ハウスメーカーによっては「自社の専用塗料しか使用できない」と、通常よりも割高な塗料を標準化しているケースもあります。
仕上がりの品質にバラつきが生じる
ハウスメーカー=品質が悪いというわけではありませんが、どんな職人が来るのか分からないので施工品質にバラつきがでてきます。
それは、ハウスメーカーではたくさんの下請けや孫請け業者を抱えているので中には施工技術が乏しかったり、雑だったりする業者も混ざっているからです。
「手を抜いても責任は仕事を受注したハウスメーカーにあるし、収入も少ないので契約を切られても構わない」と思っている業者が自宅の工事に選ばれてしまった場合は、良い仕上がりは期待できないでしょう。
責任の所在が不明確
外壁の仕上げに不具合が生じた時
・ハウスメーカーに連絡したところ部署が分かれていて目的の問い合わせ先にたどり着けなかった。
・塗装業者に直接連絡しても、ハウスメーカーに言ってくれと取り合ってくれなかった。
といったことが起こります。
これは、会社の規模が大きいため、責任の所在が分かりづらくなってしまっていることが原因です。
ハウスメーカーに依頼するメリットもある
大手ハウスメーカーのブランドは強力な保証にもなる
万が一、施工後不具合があった場合、資金力のあるハウスメーカーはブランドを維持するために手厚い保証を履行する可能性があります。
建てたハウスメーカーには自宅のデータが保管されている
ハウスメーカーは一般的に自社で建てた住宅の詳細な図面や仕様書やメンテナンスの履歴などが保管されています。そのため、再塗装する際も、そのデータを元に適切な塗料や工法でを行ってもらえます。
また、家の建設当時からハウスメーカーの担当者と良い関係ができている場合は、外壁塗装の内容や予算などに関しても細かな要望を伝えやすく丁寧な対応も期待できます。
希望工期に対応しやすい
ハウスメーカーは工事をいつでも受けられるように、数多くの下請け業者を抱えています。また、ハウスメーカーとつながっている下請け業者もすぐに工事の注文に対応できるように多くの孫請けを抱えています。
その結果、ハウスメーカーに塗装工事を依頼すれば、すぐに孫請け業者が手配されるため、施主の都合にあわせた安定した工期がしてもらえるのです。
たとえば、外壁塗装の繁忙期となる春・秋や、災害後で一般の塗装業者が忙しくなる時などでもハウスメーカーに外壁塗装であれば希望するタイミングで工事を行ってもらえる可能性が高いです。
おすすめの外壁業者は要望する内容によって異なる
ハウスメーカーがおすすめな人|安心感やブランドを重視
自宅のことをよくわかっているハウスメーカーに依頼したほうが安心だし、ブランド力が心強いという人はハウスメーカーが良いでしょう。
建てたハウスメーカーの担当者と新築後も連絡をとっている場合は、外壁塗装の際も気軽に相談しやすいかもしれません。費用は多少割高になりますが、安心感は保証されます。
外壁塗装の専門業者がおすすめな人|品質や費用を重視
高品質な工事を適正価格で行いたいのなら、自社施工を行う塗装専門業者に依頼しましょう。塗装専門業者では塗装職人を抱えているため、安定した品質を適正価格で提供することが出来ます。
まとめ
「外壁塗装は建ててもらったハウスメーカーに任せなければならない。」と、考えがちですが、必ずしもハウスメーカーに依頼しなければならないというものではありません。ハウスメーカーに言われるままに外壁塗装をした結果、高い割には仕上げがいまいちということにもなりかねません。
安くて高品質の外壁塗装を行ってくれる外壁塗装業者は、相見積もりをとって正しく探せばちゃんと出会えます。
ハウスメーカーから見積もりが提示されたら、同等の工事内容で他の業者からも見積もりをとって比較してみてもよいかもしれません。
見積もりを出してもらう他の業者の探し方としては
- 知り合いに紹介してもらう
- 地元の業者の中から実績のある業者を探す
- 地域の業者を探してくれる紹介サイトを使う
などがあります。
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