ピレパラアースやパラゾールなどの防虫剤を犬が食べた!危険なのはどれ?

落ち込む犬どうして僕はそれを食べてしまったのだろう!

衣類の害虫対策のために使用されるのが防虫剤ですが、商品によって防虫成分が異なります。

ピレパラアースとパラゾールであれば前者はピレスロイド系のエムペントリンが、後者にはパラジクロロベンゼンが使用されています。

このうち、パラジクロロベンゼンの方は要注意。犬がもしパラゾールを食べたのであればすぐに病院に連れて行ってください。

本記事では、犬が防虫剤を食べた時の対処法をまとめてありまのでご参考ください。

パラゾールを犬が食べた時はすぐに病院へ

主要成分はパラジクロルベンゼン

人間であれば体重1kgあたり0.1g以上のパラジクロロベンゼンの誤飲が受診の目安とされています。

一袋400gのパラゾールには50包入っているので、防虫剤1包あたり約8gのパラジクロロベンゼンが含まれている計算になります。(香料も含まれているのでおおよその量)

3~4kgの犬が1包8g食べるということは、基準値の0.3g~0.4gをはるかに越えた量を摂取することになるのでかなり危険です。すぐに病院に連れて行くようにしてください。

※ここでは人間に対する数値で判断しています。

すぐに病院へ行けない時の対処法

病院が遠くてすぐに診てもらえない時は、連絡を入れて獣医師の支持に従ってください。

夜間や休診日などで獣医師と連絡が取れない時は中毒100番があります。

日本中毒情報センター中毒110番

一般専用電話(無料)

(大阪)072-727-2499(365日 24時間対応)
(つくば)029-852-9999(365日 24時間対応)

医療機関専用有料電話(情報提供料2000円)

(大阪)072-726-9923(365日 24時間対応)
(つくば)029-851-9999(365日 24時間対応)

ペットの誤飲・誤食についても対応してもらえます。

自宅で吐かせる場合は必ず水を飲ませる

パラジクロロベンゼンは脂溶性の成分であるので、牛乳など脂肪分のあるものを飲ませると溶けて体に吸収されてしまいます。

家でパラゾールを吐き出させる際は必ず水を飲ませるようにしてください。

パラゾールによって現れる症状

パラジクロロベンゼンを犬や猫が摂取した場合、嘔吐の症状の他に神経系の症状が現れます。

  • 頭痛
  • めまい
  • 全身のだるさ
  • 歩行困難

場合によっては、白内障や肝障害などを発症するケースもあります。

ピレパラアースを犬が食べた時は様子を見る

エムペントリン(ピレスロイド系)が主要成分です。

ピレスロイド系の成分は、昆虫や爬虫類に対しては強い神経毒となりますが、人などの哺乳類や鳥類には基本的に無害だとされています。

しかし、大量に食べれば人や犬・猫にも毒性を発揮しますし、量に関わらず気管に入り込んだりすれば科学性の肺炎を起こす可能性もあります。

また、アレルギーを持つ子や子犬・老犬の場合は事情が変わってくるので、まるまる飲み込んだときは本品がピレスロイド系の防虫剤であることを告げて医師に相談してください。

ナフタリンやショウノウの毒性は更に強い

防虫剤には他にもナフタリンやショウノウがあります。

哺乳類に対する毒性の強さは
ナフタリン >ショウノウ >パラジクロロベンゼン >ピレスロイド系の順

虫に対する毒性は
ピレスロイド系>パラジクロロベンゼン>ナフタリン >ショウノウの順

パラジクロロベンゼンやピレスロイド系はナフタリンやショウノウよりも安全で、防虫効果が高いことから現在の防虫剤の主流となっています。

ナフタリンを食べた時の対処法

ナフタリンは、パラジクロルベンゼンのおおよそ2倍の毒性があるといわれています。かけら程度でも危険なのですぐに受診してください。ナフタリンも脂溶性なので牛乳を与えてはいけません。

ショウノウを食べた時の対処法

吸収が非常に早いのですぐに受診してください。痙攣を誘発する危険性があるので吐かせないでください。

犬が誤飲や誤食をするのはそれが習性だから

それにしても嗅覚が優れている犬がなぜ防虫剤のような決しておいしくもないものを食べたりするのでしょうか?

野生の犬が自然の中を歩き回り嗅覚で食べ物を探すのは本能的な行動です。

そういった狩猟本能や食べ物に対する欲求が好奇心となり、口で確かめているうちにうっかりと飲み込んでしまうということが主な要因。

また、飼い主に遊んでもらいたい気を引きたいという欲求や、自分の口にしたものを取られたくない思いから飲み込んでしまうというケースもあります。

子犬のうちはこれが顕著で興味のあるものは何でも口に入れてしまうので、犬を飼い始めたら犬が届くところに物をおかないで誤飲や誤食を防ぐようにしてください。

また、しつけすることで誤飲を防ぐことも出来ます。

おもちゃをくわえている時に指示を出しおもちゃを離したらご褒美ということを繰り返すと、犬はくわえているものを飼い主に渡すとまた返してくれると学びます。

これにより、万一のときでも飼い主が声をかけることで飲み込まずに離してくれるようになります。

また、人の食べ物を与えないのは当然のことですが、これはテーブルの上のものやキッチンのものに必要以上に興味を持たせないための訓練にもなっているのです。