虫コナーズは意味がない?チョウバエやユスリカが対象である理由

縁側縁側のある日本家屋

今年も虫コナーズのCMでは長澤まさみさんが網戸のない縁側に虫コナーズを吊り下げています。

あのCMを見るたびに私は薬剤のバリア効果が網戸の代わりになるすごい商品なんだなと思っていました。

でも、虫コナーズが防ぐとしているのは、ヤブ蚊やイエバエではなくユスリカやチョウバエのことなんですね。

ここで軽くショックを受けた私は、虫コナーズとは一体どんな虫に対してどの程度効果がある商品なのか気になり調べてみることにしました。

 

虫コナーズはヤブ蚊対策の意味がない?

害虫には感染症の媒体や疾病の原因となったり痒みや痛みを生じさせて人に直接的な被害を及ぼす衛生害虫と、人が生活する上でその存在を不快に感じる不快害虫が存在します。

  • 衛生害虫 ハエ 蚊 ゴキブリ ダニなど
  • 不快害虫 ユスリカ チョウバエなど

虫コナーズが対象としているのは不快害虫(ユスリカ チョウバエ)と呼ばれるものです。

ユスリカは血を吸わない

ユスリカは蚊と似た形をしていますが、口や消化器が退化していてものを食べることができません。つまり、人の血を吸うことはないのです。

夏の夜に店頭の明かりや該当に集まっていたり、蚊柱を作っているのがユスリカの大群です。

ユスリカ
ユスリカの蚊柱

 

チョウバエはもこもこの毛で覆われた4~5mmのコバエ

チョウバエとは浴室や洗面所など湿ったところに発生するコバエです。

チョウバエ
チョウバエは石けんのカスや皮脂などのぬめりが好き

 

虫コナーズに対する不満の声

私も、嫌な虫の屋内侵入を防ごうと、「虫コナー〇」を何個も買っています。が、今日箱の裏をよーく見ると「適用害虫 ユスリカ・チョウバエ」と書いています。え?それだけにしか効かない?ビックリしてメーカーの「お客様相談室」の電話してみました。担当者いわく「はい、効くのはユスリカとチョウバエです。蚊など他の虫に効くかどうかは、実験していないので、わかりません。」とのお返事。

これって・・・きちんと説明を読まない私が悪い?でも、あのTVCMや箱の表書きのイメージでは、蚊やハエなどの嫌な虫に対して効果があると思いませんか?なんか、だまされている感じがして、不愉快です。皆さんはいかがですか?

引用:メーカはーさんに聞いてみました!

こちらの口コミは2014年のものです。お怒りの声、もっともだと思いましたね。

当時のCMや表記内容に対しては多くの利用者から不満の声が上がり、2015年2月には「虫を寄せ付けない」などの表示内容に対して消費者庁から措置命令が出されています。

 

表示内容に対する措置命令

虫コナーズを含む空間虫よけ剤では、発売当時、吊るしたり置いたりするだけで、
「いやな虫をシャットアウト」
「ベランダに 軒下に 吊るだけ!簡単虫よけ」
「使用の目安 14畳」
「約250日間効果を発揮」
などとその効果がうたわれていました。

消費者庁からの「待った」がかかったのはこの強い表現です。

例えば虫よけを風通しのよい生活空間に吊るした場合、空気中にその薬剤成分がとどまりにくいのでその効果は十分ではないと考えられるため表示されている内容に根拠がないとしたわけです。

そこで販売各社に根拠となるデータを求めたのですが、提出された資料では裏付けとなる根拠が得られなかったため措置命令が下されました。

つまり、景表法に引っかかっちゃったということですね。

 

虫コナーズ発売当初のCMでは「ぶーらぶらさせて ぶら下げて~虫コナーズ~見えないアミ~戸~」と歌っていました。・・この強いイメージが私の頭の片隅に残っていたようです。

 

この措置を受けて虫コナーズでは次のように表示内容を改正しています。

■ 使用の目安12畳または14畳という表記
開放された空間(屋外)でも同等の効果があるという誤解を与えてる。

⇒使用の目安範囲は屋内テストの結果であること。屋内と屋外の境目に吊るしてください。といった文言が追記されています。

■「嫌な虫の侵入を防ぎます。」という断定的な表示

⇒屋内への嫌な虫への侵入を防ぐためにと変更

 

ただ、消費者庁は商品の効果を否定したわけではなく、虫コナーズでは以前からユスリカとチョウバエが対象としているのでその点は当然お咎めなし。

でも、お店に虫除け商品として販売されているので、消費者が蚊やハエにも効果があると誤認しやすい商品であることは否めないですね。

 

実証されていないがヤブ蚊への効果はないとはいえない

虫コナーズの対象害虫がユスリカ・チョウバエであると表記されているのは、虫コナーズを雑貨として販売する道を選んだからです。

というのも、蚊やハエなどの衛生害虫への表示は「医薬品」または「医薬部外品」でないとできないからです。この承認を得るためには6~7年はかかるとされます。

使用方法や規定の安全性の試験も厳しいため医薬部外品の承認を受けるのを待つよりは、雑貨として販売したほうがメリットが大きいと販売側が判断したという裏事情があるというわけです。

ですので、

「ピレスロイドは昆虫の神経に作用する薬であるため、ユスリカやチョウバエに効くのであれば蚊やハエにも効く可能性は十分ある」

という専門家の意見もあることもここに付け加えておきます。

 

まとめ

以上、

虫コナーズを吊るしておけば蚊やハエが入ってこなくなると勘違いする私のような人間がいるということ

対象になる害虫はユスリカやチョウバエだったという事実。

更に、そのように表記している裏事情までをまとめてみました。

 

 

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