ホウ酸への耐性はゴキブリにはない|ブラックキャップとホウ酸団子の違いを知る

昨今、殺虫成分に耐性を持つ薬剤抵抗性ゴキブリの出現が問題になっていますが、耐性を持ったゴキブリに対してはホウ酸団子が効果的であることがわかりました。

本記事では、同じ毒餌駆除剤であるブラックキャップとホウ酸団子の違いと耐性ゴキブリに対してはホウ酸団子のほうが優れている理由をまとめてあります|。

注)この記事ではゴキブリを一部Gと言い換えています。

ブラックキャップとホウ酸団子の違い|毒成分が違う

ブラックキャップはピレスロイド系のフィプロニル

フィプロニルは神経伝達物質であるGABAの作用を阻害して神経伝達を遮断することで昆虫に対して高い殺虫効果を持つ物質です。

食べてすぐに死ぬというものはないので、餌を食べたGは巣にお帰りになりそこで絶命となります。だから、ブラックキャップの周りで大量のGの死骸を発見ということにはなりません。

また、哺乳類に対しては毒性が極めて低い(ほぼない)ので人にもペットにも優しい駆除剤と言えます。(爬虫類には危険です。)

ホウ酸団子のホウ酸という物質について

ホウ酸は殺虫用につくられた薬剤ではなく、濃度によっては全ての生き物に対して同様の効果を表す物質です。

どういうことかというと食塩を大量に摂取した場合の毒性と同じということ。(人の場合60kgの体重の人に対して塩の致死量は約300g)

ホウ酸が濃度の高い塩分のように働きGを脱水状態にして殺すというものです。

塩がそうであるように腎臓機能のある哺乳類はホウ酸を排出できますが、 腎臓機能がない昆虫には毒性が強く現れるので殺虫剤として使われているのです。

ゴキブリ駆除に最強の毒餌はブラック キャップ

ブラックキャップの特徴

【薬剤の特徴】

  • フィプロニルはプロが使う速攻成分であるので毒餌を食べるとその日のうちに死ぬ
  • フィプロニルを食べたGの死骸やフンを食べることでその仲間も死ぬ。だから、巣ごと壊滅できる。
  • 巣からでてこないメスにもその卵にも効果あり(メスは年間400個の卵を産む)
  • 現時点では薬剤に抵抗性を持つゴキブリにも効く

【形状の特徴】

  • 黒い容器(ブラックドーム)による暗闇と適度な隙間がGに警戒心を抱かせない
  • 360度どこからでも誘い込み、特殊スロープ形状でエサまで効果的に誘引する

デメリットは耐性を持つ可能性があること

神経性の薬剤に対して耐性を持ちやすいのは、世代サイクルの短い「チャバネゴキブリ」です。

薬剤を食べても生き残る個体同士が繁殖を繰り返すことで薬剤に対する耐性が生まれ殺虫剤が効かなくなるというものです。

ブラックキャップは現時点で薬剤耐性ゴキブリにも効くとされますが、フィプロニルに対する耐性を持つGが出現する可能性は十分にあります。

また、薬剤に対する耐性が無くてもブラックキャップの餌に飽きて食べなくなることで効果がなくなることもあります。

ブラックキャップが効かなくなったらホウ酸団子に替えてみる

ホウ酸団子の特徴

ホウ酸は「ゴキブリに効く」のではなく致死量を摂取すればどんな生物にも害になる物質です。生き物の体内の水分を奪うことで死に至らせる物質であるので耐性を持つことはありません。

ホウ酸団子を食べたゴキブリは脱水症状を起こして確実に死にます。水を求めて水回りで死んでいることが多いので、掃除が比較的しやすいというのもホウ酸団子の利点ですね。

中毒症状が現れるまでに1週間から半月の期間がかかることがありますが、それ故に死んでいる仲間を見てもホウ酸団子に対する警戒心を抱くことなく食べ続けます。

ブラックキャップの成分に耐性を持っているのであれば一度ホウ酸団子で試してみてください。

食いつきが悪くなった時の対処法

ブラックキャップにしろホウ酸団子にしろGの食いつきが悪くなる場合があります。

そのときは、毒餌にガムシロップや焼き肉のタレなど「甘い・油分が多い・ニオイが強い」ものを足してやれば再び食べに来るようになります。

毒エサを同じ場所に設置するとGが覚えてしまうので時々場所をかえるのも効果的です。

 

デメリットは速効性がないこと

  • 時間がかかる
    ゴキブリの大きさにもよりますが、ホウ酸団子を食べてから効果が現れるまで4日から1週間程度の時間が必要です。
  • 卵には効果がない
    ホウ酸団子は食べたGに脱水症状を起こさせるものなので卵への効果はありません。
  • 濃度によっては連鎖性がない
    ホウ酸の濃度によっては食べた本体にしか効果がありません。ホウ酸の含有量が40~50%以上のものであれば本体だけでなく死骸やフンを食べたGにも影響が出ます。

ホウ酸団子の誤飲は危険

哺乳類の場合、大量に摂取しない限り腎臓の働きで尿とともに排出されるので危険性は低いのですが、濃度によっては全ての生物に同様の影響を与える物質です。

ホウ酸の経口致死量は

  • 成人 15~20g
  • 幼児 5~6g
  • 乳児 2~3g

急性中毒の症状は嘔吐・下痢・腹痛・痙攣など。

昔、ホウ酸は目や皮膚の洗浄、うがいなどに使用されていました。かまぼこやちくわなどにも防腐剤として使用されていましたが、中毒や死亡例の報告を受けて現在では食品への添加は禁止されています。

特に、手作りのホウ酸団子はにおいも見た目もクッキーのような形状であるので、小さなお子様やペット、認知症を患っているご家族がいる場合は要注意です。

まとめ

耐性(薬剤抵抗性)ゴキブリにはホウ酸団子がおすすめです。

しかし、効果が出るまでは時間がかかること、また、小さいお子さんや認知症を患っている家族がいる場合は危険も伴います。

殺虫剤が効かなくなったゴキブリを手っ取り早く駆除したいときはプロの手を借りたほうが確実で安全です。

駆除業者はゴキブリのプロなので耐性ゴキブリに対しても最新の駆除方法で対応してもらえますよ。

 

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